第5回「無事であることを信じるために何をする?」
「信じること!」…「あの子は運がいいからきっと大丈夫!」とか、「ご先祖様に見守られているから大丈夫!」というのではなくて
「信じられるくらい準備をしておくこと!」をお勧めしています。
わが家は自宅から徒歩5分以内に向かうことが出来る避難所が小学校・中学校・高校合せて5つもあります。大きな公園もあるので合せて6か所の中からどこに行くのか決めます。
一応「ここね!」と決めていますが、家にいるのか、遊びで公園にいるのか、学校の運動場で遊んでいるのかで行きやすい避難所も変わってきます。
(1つに決められたらいいのですが、いる場所によっては避難所に向かうまでの道が危険なところもあるのです)
避難する時に連絡が取れたら「○○にいる」を伝えます。そして、受けたほうが「○○ね!」と返事をして完了です。受ける方が何かの音でうるさくて聞こえないなど、ちゃんと伝わらなければいけないので、「○○ね!」が無ければ「〇〇だよ!」と「○○ね!」の返事があるまで繰り返すか、メールで送る。そこも返信「○○ね!」を送る。(ラインは既読が付くけれどメールはつかないので、見たかどうか分からないですものね)
しかし、連絡が取れないことを前提で考えておかなくてはいけませんね。
それぞれが別々の活動をしていても発災後は、どこに向かうかを決めていて、みんなそこへ来るはずだ…と
「信じて自分もそこへ向かう」ことです。(家は大丈夫そうでも1度目の大きな地震は耐えても2度も大きな揺れがくると耐えて立っているかどうか保証されないことは熊本の地震でも改めて分かったので、「雨・風がしのげる安全なところとして家族で決めたところに向かうか、家の前」と私はしています。建物の安全チェックは簡易的にできるかもしれませんが、家の中で待つのかはあくまでも自己責任でないといけませんし、それを子どもにはさせられませんしね)
そして、そこへ行くための具体的なミッションを考えて、それがこなせる準備をしておきます。
それは、どういうこと?
宮城県の「津波てんでんこ」の話に「それぞれが取るものも取らず
周りに構わず(肉親にも構わず)高台へ逃げろ!」という教えがあります。
「自分の命は自分で守る!」ことが出来るようにならなきゃいけないということです。
「年相応に能力を高める!」のです。
小さい子どもや高齢者、障害のある人には
「手をさしのばしてもらえるような準備」をしてあげること。
幼稚園になれば「人に助けを求めることが出来るようになる『たすけて…』が言えるようになる」こと。
そして大きくなると「自分で判断して逃げ、家族と合流するところへ向かう」ことです。
具体的に「ゴール(避難所などの場所と身の安全が「安心」まで持って行けるレベル)を決めて、どのようにしてそこまで行くのか」を予め決めておきます。
子どもは(もちろん大人も)※決められたミッションをこなしていくことで
恐怖心から一時逃れられます。(第2回でお話した「思考脳」を使うからです)
決まったことをこなすことは考えながら進むよりスピードが速いということは容易にわかります。
しかし…応用もきかせなければいけません。
地震が起きたうえに火事まで起きてしまったら?
そこは、日々のシミュレーションで色々な場面を考えておくことが大切なのです。
(これは第3回目にお話した内容ですね(^.^))
それぞれのミッションは個人の体力、能力に応じて何をしていくかを決めていくといいでしょう。
例えば、地震が起きたらその部屋の△スポットに体を小さくして揺れがおさまるまで待つ→携帯電話を持つ→非常用避難袋を持つ→クツをはくなどなど…「○○する」という動詞で決めていきます。
これらのミッションも、時々のシミュレーションに「応用」として質問などで投げかけていかなければ「やっぱり動けない…」になりますよ。
しかし…やっぱり大人でも緊急時に冷静にミッションが頭から浮かんでくるかは、難しいかもしれません。(出動する消防士さんのように体にしみこんでいたらいいのですが…)
そこで、緊急時の行動計画として「携帯カード」を個別の事情を考えたもので作成しておきます。
この携帯カードには基本の行動計画「自分の行動」と「目指す場所」を書き入れるのです。(その他にまだ書き入れたいものはありますが、それはまた今度お話しますね。)
普段の生活は、ずっと同じ場所にいるわけではないので、時間の多くを過ごすだろう場所からの基本の行動計画だけでは自分の身を守ることはできません。どこにいても自分が「これで大丈夫!」と思える行動計画を決めておかないといけません。
その行動計画を決める前に「何を知っておかなくては行動が決められないのか?」を考える必要があります。(リスクを洗い出す作業につながります)
次回は「緊急時の行動計画(ミッション)を決めるために知っておくこと」をお話します。
では~(^^)/

