災害時対応訓練を重ねていくうちに…
訓練は同じことを何度も繰り返すと「慣れてしまう…」というデメリットもあります。
今回で机上訓練を含めると訓練は4回目だけども、毎回、内容を変え実施する私の方はワクワクしていて、「分単位」で刻んでいるタイムスケジュールがうまくいくのかドキドキもしています。(いつもうまくいくように現場の誰かに助けられているのですが…(^^ゞ)
今回行った医療機関での訓練は非提示型の実動訓練で院長先生にも内容は秘密にしていました。
病気の患者さんや被災して負傷した患者さん役には、区のボランティアの方や一般社団法人 神戸防災安全推進協会という元消防局の方が集まった組織の方にも手伝っていただきました。
訓練の内容は変えていきながら、チェックしていくアプローチが違うだけで避難や誘導の基本的な流れはシッカリおさえてもらっています。
どんな患者が飛び込んでくるのか、どんなものを使わなければ乗り切れないのかなど皆さんにはお教えしません。
皆さんにお伝えしたのは「訓練の時間」と、今回は事前にお願いして引き受けてくれた近くの薬局さんにも訓練のシナリオを渡していたので、「薬局との連携」と「情報共有」を意識してもらうようにチラッとスタート前にお話をしました。
盛りだくさんに内容を詰め込んだはずが、スタートしてみるととてもスムーズに「確認」「応援」「処置」ができている様子で「あれ~(p_-)」と慌てて見回していくと、大きなポイントは抑えていても、小さな確認は頭の中だけで処理をしていて、実際の動きにつながっていないことが分かりました。
これには、「『訓練だから…』という気持ちがあったのではないか。」と院長先生はアンケートの中でも見抜いておられました。
今回は通信も途絶えている設定で、2~3分離れたところにある薬局に情報を取りに行くこともしていただきました。
今まで院内だけの訓練でしたが、新しく連携を取り入れ、情報を共有することで「患者を守る」という共同体のような意識がさらに強くなったのではないかと思います。
スタッフの人も、もちろん私も災害時の薬局の方の対応が学べたことはとても大きな収穫でした。
薬局の方にも、このクリニックが災害の時にどんな手書き処方箋を持ってくるのか、物資が止まるかもしれないときに、どれくらいの薬を処方すべきかなどクリニックとの情報共有ができたことなど、少しでも非常時のシナリオが見えたのではないかと思います。
訓練での気づきがすべて次で改善されていることはなく、3つできるようになると1つ忘れていたり…。それでも最初は怖くて動きが止まってしまうほどだったのが、今では「とっかかり」に何をするのか、非常用のものがどこにあってどのタイミングで使うのかなど、少しずつでも確実に前進していくところが見えてきました。
訓練後のアンケートから私も気づくことがたくさんあり、次の訓練に活かそうと企画がまた頭に思い浮かんできます。
訓練を重ねていくうちに決して「慣れて見落としてしまう」ことの無いように、どうすれば確実に能力アップにつながるのか、いろいろな方面の知識も取り入れて、丁寧にサポートしていけるよう私ももっと勉強していかなければいけないなと思います。

