普段の生活の延長線上に「災害のための準備」をしておくことが必要です
自閉症や発達障害の子どもやその家族をサポートする会社から、災害時に使える商品を一式購入してみた。
災害時には誰もが我慢を強いられ、先の見通しが立たない事は大人でも大変で、私もスケジュールで「いつまで?」が分からない事は本当に嫌いです。(危機管理なんてものは「いつまでも…」なんですが)
送られてきたものを見てスゴイ!と思った。
自分(障害のある人)のリスク、家族の人が障害のある人を守るためのリスクに対応するための「伝える・理解する(納得して行動に繋げる)、予定が見える」が丁寧に、しかも簡単なツールで用意できている。
私は障害のある子どもとかかわりのある方と何人かお目にかかり、お話をしたことがあります。
話しをした人の中には「周りの人が理解してくれない!」と時折「あなたがそういう人を変えてくれる仕事をしてるんじゃないの?」と言葉がきつくなる人もいました。
私は、「守りたい人を守ってもらいやすいようにするため」に、まずは家族で体制を作ることが先だと考えています。障害のある子ども(人)だけに限らず、誰もが普段と違う「時間」や「空間」の安心度に家族や信頼している人のかかわりで大きな違いがあると考えているからです。
その「守りたい人を守る」思いがこの手に取った商品にぎっしり詰まっていました。
「何が困る?」→「じゃあ、こうしよう!」が困難を乗り越えるための知恵としてたくさんありました。(これって、組織の事業継続のリスク対策と同じ考えですね)
これは、「誰かに迷惑をかけないために」ではなく、「自分で納得して選択し、理解し、思いを伝える」ためのものになっているのです。
これは、障害を持っているからとかではなく、誰にでも必要なものです。
私たちが非常時の持出袋を作るのと同じように、この会社では普段から使える非常時のツールを作って広げています。
そして、私たちが避難訓練をして、イザという時に対応できるようにしているのと同じように、普段の生活での「困った!」を乗り越える経験を活かして「いつものとおり」のように災害時でも対応できるように伝え続けています。(生活環境の違いについての対応ですが…)
この組織の代表者は東日本大震災の直後(2~3時間後)から必要な人に届くように「困った!」に対応する方法を「いつものとおり」の気持ちで「こうだよ~」とネットでメッセージを届け続けていたようです。
既に、今まで「時間」と「空間」の厳しい環境にも「困った!」の対処法を心得ているメール会員などの家族にとっては問題なく突然の生活の変化にも対応できたそうです。
しかし、今までに対処法を身につけていない自閉症や発達障害のある人(家族)にとってはとても厳しい環境になったのではないかと心配もされていました。
私たちも普段の生活の延長線上に「災害のための準備をしておく」ことが必要で、誰かの意識を変えようとする前に自分でできる所をまずしていくことが大切なのだと思います。

