第7回 「緊急時の行動計画を決めるために係る施設について調べる項目」
行動計画を考えるのにはゴールを決めなければいけません。
それは、家族がそれぞれの活動をしていても最終的に合流するところです。そして、それぞれが1人でもそこへ行ける計画にならないと行けません。
幼児や高齢者のかたは「家族の誰かが向かう」のか「近くの誰かにサポートしてもらえるような準備」も必要です。(そのサポートしてくるれる誰かにお願いして、様子が分かるように連絡が取れるとか、誰かと一緒にいさせてもらえるようにサポートしてくれる人をお願いしておくとか…)
大きな災害だと、恐怖心から1人でいるより人が集まるところ(組織の中)に入ろうとする本能が人にはあります。
しかし、危険なのは集団でいることの「同調性のバイアス」というもので、みんながいるから自分も同じように危険なところにいてしまう。ということも韓国の地下鉄の火災事故などでもよく知られていますので、ここで個人の能力を必要とする「判断力」が求められてきます。
この話は少しおいといて…
人の輪に入ることでメリットは「情報を受け取ることが容易」であるということ。
「こっちに逃げるといいよ」とか「こっちで水がもらえるよ」とか…が得られやすいことも安心につながります。
なので、人が多く集まる避難所に向かうということは、誰かの助けが期待できる…と、すぐに駆けつけられない家族からすると安心だと思います。
恐怖のあまりケガをしていても痛みを感じなく気が付いていない場合もあります。(顔や頭は自分では見えません)
周りの人が見て「どうしたの?」と治療を促してくれることも有難いことです。
では、その時どこにいると思いますか?
第1回目のお話でしたように「災害の時には、どこにいるか分からない」のでスタートが何処であっても大丈夫なように、まずは係る施設の災害時の対応方法の情報も知らなければいけません。
あらたにスイミングスクールに通うとか、デイサービスに通うとか、塾に通うとか…その施設がどんな避難通路があるのか、どっちに向かうと危なくないのか…など、係る施設を利用者と一緒に見て、分からないところは聞いてみることが大切です。
自分はその時安全に誘導してもらえるのか?自分で逃げないと誘導してくれる人に不安があるのか(アルバイトの新人さんだったり)…なんかも避難訓練をしているのかどうかを聞くと反応で予想がついたりしますね。(お仕事でいろいろ聞きますが、マニュアルを応えるだけで実際訓練をしたことがないところもあるのですよ…(-“-))
過去に、ビルの火災現場で逃げ遅れた人が入口付近に固まっていた。という事例があります。
別の通路から逃げられるのに、入ってきた入口しか利用者は知らないので、そこに固まっていたということです。「2方向の避難ができる(消防法の決まりのある建物では…)」ことが事前に分かっていたら、違っていたのかもしれません。
また、パニックになっている場合は引きドアを一生懸命押して開けようとしたり、どんどん人が押し寄せて、引かないといけない扉が、押される力で引くことさえできなくて出られない(皆が落ち着いてドアを引けるように押さなければ開いただろうに…)という話もあります。
行動計画はこれらの係る施設で「自分はどのように誘導されるのか?」または、「自分ならどう対処するのか?」をちゃんと知ったうえで、そこからそれぞれのスタートを考えなければいけません。
次のような項目を調べておくといいかもしれませんね。(あくまでも例です。施設の建物の様子やスタッフの人数など〈夜間になるとスタッフが少なくなるなど〉にもより、もう少し聞いておきたいこともあると思うので個別に補足してくださいね)
係る施設の知っておきたい項目 (←ポチしてみてください。一覧表が出ます♬)
家にいて被災した場合は「何をもって」「どこに連絡入れて…」「どの道を通って」、と基本の動きを決めておきます。自分で行動できない幼児などは誰かに手を差し伸ばしてもらえるように携帯カードをもって連絡を入れてもらえるように支度させます。
これは基本ですから、もちろん予定していたことがその通りにならない場合も考えるのです。
携帯電話と非常用持出し袋をもって…と決めていても「逃げることが精いっぱい!」ということもありますので、その場合は「取りに戻らない」ことなども「命を優先にしてその他を削る」ということも選択肢も決めておきます。
それぞれが、誰に連絡をするのか、どう動くのか、どこで合流するのか…を皆が分かっていると「分からない不安や心配」から、まずは解放されます。
安否を知るための連絡手段はいくつも考えておく必要がありますね。
第4回でお話したほかに、連絡手段として、わが家では、避難所で待ち合わせをしていても、知り合いにあった時「お母さんを待ってるの!お母さんをどこかで見た?」と声をかけるようにしています。そうすることでそのメッセージを聞いた人が「あそこにいたよ!」と、まずは無事であることが姿を見なくても分かる安心が先に手に入ります。(確認してくれる目を増やしていくのです)
さらにわが家では待ち合わせをピンポイントで決めています。○○の時計の下、とか○○公園のすべり台のところ。とかです。
そうすると、自分がもしもケガなどで動けない場合、誰かほかの人をピンポイントなら向かってもらいやすいのでお願いしやすいです。
そして、知らない人が来て「お母さんが大変だから一緒に病院に連れて行ってあげる!」なんて言う言葉も絶対信じないということを教え、お母さんからのメッセージと分かるように合言葉も決めています。
どさくさに紛れて、こんなところで誘拐なんてことにならない方法も考えておかないといけません。
…とこんなところで、今日はおしまいです。
次回は…災害直後に何をしていいのか分からなくなった時にも役立てられる「緊急時の携帯カード」についてお話をします。
では、また…(^^)/

