ペットの救助は人の「財産」だから…
消防士さんは、ペットも災害時には救助します。動物のレスキュー隊があったりもするのですが、全ての消防士さんが救助できるか(救助するための知識と訓練がされているか)というとそうでもありません。
日本の消防がペットを救助するのは…消防法の1条にある、国民の生命にあたるのではなく、国民の財産にあたるので火災から守ってもらえるのだということです。優先順位はもちろん国民=人なのです。
日本以外の先進国のほとんどでは、消防機関がペットの救助や応急処置を行うことが、消防法や災害対策基本法や動物愛護法、市町村条例などに明記されているそうです。
しかし日本では、まだ「モノ」として扱われることが殆どではないでしょうか?
日本でも今はペットを飼う人も多く、人と同じように旅先で事故に遭ったり、災害に巻き込まれたりもします。
記憶に新しいのは、鬼怒川氾濫の時には屋根の上から飼い主と一緒にペットを救助されているのをテレビで見た人も多いでしょう。(あの時は、ペットは後で…とする意味はないのでしょう)
消防士さんがペットの救出に出場するには条件もあって、『緊急走行はしない』『火災や交通事故等、緊急な人命にかかわる災害を優先するため、作業が途中でも災害出場してしまう』『長期間の保護、飼育等を行うことができない』等のことを通報者や関係者に理解してもらったうえで対応しているそうです。(リスク対策.comより)
動物救助に向かっている間に人の救助が必要になった場合そちらに向かうことは致し方がない。…と救助を待つ飼い主は考えられるものでしょうか…(p_-)
しかし、その反対も考えると…自分の息子が消防士でペットの命を救いに火の中へ入っていくとしたら…(p_-)
ペットの救助に時間が取られていて、今にも崩れそうな家で次の救助を待つ身であったとしたら…(p_-)
両方の対極になる気持ちが満足できることは難しいのかもしれません。
日本では動物レスキューのための訓練などはあまりされていないようです。(まだ、「財産」として考えられているからでしょうか…(p_-))
環境省の出している災害時における動物救護のガイドラインには、家庭で飼われている動物も家族の一員として書かれていて、都道府県が策定する動物愛護管理推進計画には避難する動物の配慮(仮設でも動物の居場所がなければ、避難できる場所を用意すること)を盛り込むようになっています。
しかし、避難所では、運営側次第で対応が全く違います。
最近わが家では、ペットを亡くしてまだまだ家族の中でも落ち込みが続いていることを考えると、やっぱり「モノ」として扱われるのは悲しいですね。
高齢者の心の支えになっているペットもいますし、盲導犬や、救助犬など、訓練までして人を助ける仕事をしてくれている犬もいます。
ペットも家族としての命を考えた法律になってくれること、ただそれだけではなく、救助する人が安全に活躍できる(動物の命を救助できる力もつけていけるような)仕組みが出来ればいいなと思います。

