避難所運営ゲーム(HUG)から学んだこと~新たな引き出しが増えますよ~
毎月1回行われる事業継続推進機構(BCAO)の勉強会。
今回は「避難所運営ゲーム(HUG)」の体験で、事業継続(BC)の部分でも知っておくべき災害直後の初動の部分となるでしょう。
勉強会で体を動かすのも久しぶりでしたが、体が動くと頭に入りやすくなります…
HUGでは避難所の運営担当者として、読み上げていくカードの事象に被災者の誘導や届く物資についての対処、避難所を出来るだけ無駄なく、もたつかず、制限のある中にも皆が平等に(できるだけ文句の出ないように…と言った方がいいでしょうか(p_-))緊急時の生活を過ごせるように導いていく力がつけられます。
必ずしもどれが正しいか分からないからこそ、その場で考えを出しあう所に新たな引き出しが増えることにもなります。
状況は、1月で気温は5℃、午前11時に発災。仮設トイレも備蓄の食料もなく、避難所は近くの小学校。
私のチームはBCPを策定していけるほどの人ばかりだったので、災害直後の初動の部分だし、ヒョイヒョイ~♪ヽ(^。^)ノとこなしていける(みんな同じような判断をする)と思っていましたが、途中で意見が分かれた!
「えっ!」「これは○○のために…」と言っている間に次のカードが読まれて「いったん保留」になってしまったり…(p_-)(そんなのが重なると後々大変になってきます)
避難所には色々な人が避難されてきます。
既に病気で熱がある人や(インフルエンザの可能性があるとか…(p_-))、外国人の旅行者団体(帰宅困難者ですね)障害のある人、車いすの人や認知症の高齢者、「避難所へ行くと食料がもらえる…(p_-)」とホームレスまで…
メンバーの一人が「みんなこの時点ではホームレスや!」と言われて、「確かに…」
カードが増えてくるにつれて、どんどん適当な場所が無くなってきます。(ペット同伴もあり、別の部屋を設ける…私はペットのケージなどを預かり、ペット専用部屋にしたほうがいいと思ったけれど、被災者はそれでは寒い外で過ごすことを選ぶだろうと意見が分かれた)
「運営担当者は、平等に対応するために嫌われものにならないとやってられないよ」と言われ(平等にする考えのレベルが既に違っていたけれど…)、被災されてくる人にさらにロボット的な対応をするのもな~とやっぱり思ってしまいます。
講師は「本当に強く言っている人が正しいかどうかはまた違うんだよ~」と言われて過去の震災でリーダーが間違っていたり、古い情報で動いていることで危険だった事例を思い出した。
やはり、リーダーになれるだけの人材を育てていくことも大切だと、この訓練で改めて学ぶことが出来た。
壁には被災者に伝える情報を書き上げていきます。(みんなへの伝言板というものです)
給水車はいつ、どこに到着するよ。とか、仮設トイレはいつからどこに設置されるよ。とか…。
ここで、情報は設営関係と、物資関係、病気関係やトイレの環境などの注意点などを、情報の種類別に書いていくほうがよかったな~と思いました。(ドンドン流れる時間の早さのあまり見えていなかったけど、ちゃんと出来てたのかな?)
阪神・淡路大震災の時と、東日本大震災の時の避難所の違いを先に写真で見せてもらっていたので、「通路」を先に取っておくことの大切さも実感しました。
講師が、全くの初めての人もすぐになじめるような説明の仕方をしていたので、そこも凄く学ぶことが出来ました。
そして、どうしても頭から離れないカードの内容には…「両親を亡くした5歳のお姉ちゃんと3歳の弟が近所の人に連れられて避難所に来ました」というものでした。
自分の子どもたちのことを考えて背中が凍りつきました。
「あり得ること」なんだけれども、「決してあってはいけない」ことだと思います。(お父さん、お母さん、がんばって子どもたちのためにも生き抜いて!)
私も被災者とするとポケットの中にあめ玉がないか探すくらいしか出来ないのだろうか…
こんなことも一瞬で流していくような悲惨な避難所がこれから必要になるとしたら、それまでに少しでも鬼の対応をしなくてもいいような、心づかいのできる避難所運営ができるくらいレベルを上げられたらいいのにな…と思いました。