第16回 避生活を早く復旧させていくために考える優先順位について
災害が起こると、今まで予定していた行動計画もすべて白紙でつくり始めなければいけません。
そんな時でも、もう差し迫っている予定を飛ばすことなくこなしていかなければいけないのです。
例えば…受験や就職試験などを控えている子どもがいる場合は、注意して申込み手続きや入金など、もしくは特別に締切が延期していたり、受験会場が変わったりしていないか調べておくれなようにしなければいけません。だからケガや病気などの手当てが落ち着いたら(もしくは並行して)、まずは人生を狂わせてしまうかもしれない情報を取りに行くことが最優先です。
事業主の方は許認可の更新が迫っていたら、担当窓口に特例が出ていないか調べたほうがいいでしょう。
ただ、東日本大震災でも被災地域の線引きがありましたが、すぐ近くに住んでいるのに被災レベルの違いから特例が受けられない事もあります。また、助成金の金額がえらく違っていることもあります。
そんなことも含め「地域を決められた特例」だということも知っておかないと、後で「あなたは違いますよ」と言われては大変です。(国家試験の申し込みや就職試験のエントリーの延長が確か地域で違っていたように思います)
そして、家族の生活に係る支払い(税金や住宅ローン、保険料など)も猶予をくれたり(総務省の情報)、保険証を使わずに診察が受けられる特例(厚生労働省の情報)もあります。
通帳や印鑑がなくても、金融機関のやり方で本人確認が取れたら、口座からお金がおろせたりもします。
東日本大震災も熊本地震でも金融庁や厚労省、総務省のホームページに被災後すぐに次々に広報が出はじめました。
厚労省…http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055967.html
(災害の対応について)
金融庁(日本銀行)…http://www.boj.or.jp/about/bcp/fso/
(災害時における金融上の特別措置)
総務省…http://www.soumu.go.jp/menu_kyotsuu/important/
(お知らせ)
その他にも
地震保険などの請求のためには、グチャグチャになっている家の状態をきれいに片づけないで写真に残しておかなければいけません。(罹災証明の請求で納得のいかない場合も再審査請求をする時にはそんな写真があった方がいいのかな~(p_-)とも思います)
だから、何かをしてしまってはいけない時と、何かをしなければ間に合わない時のことを、今、何も起こっていない状態の時にメモなどに残して震災後の行動計画としておかなければいけません。
また、東日本大震災の時に手続きでいっぱい並ばれたものの一つに車の廃車届の手続きがありました。
廃車したときが早ければそれだけ税金が戻ってきますので、(日数で数万円違うことがありますから)水につかってしまった車は廃車になるようですし、どこに流されたか分からない車の持ち主も廃車ができますので急がれていました。
また、住宅が倒壊などして住めないのにローンだけ残ったという方も災害ではよく聞くお話でした。
「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」というのが東日本大震災後に出され、これを活用することによって、住宅ローンの免除・減額を申出ることが可能です。ただし、条件がありますし、申請したからすぐにOKでもありませんので、ローンを地震保険などで支払うことが出来ても、生活を今までのように、もとに戻せるかどうかとても心配な方は一度目を通してみるといいでしょう。
東日本大震災でも住宅再建のための支援金を受けた場合仮設住宅に住めないという事例がありました。今でも、倒れそうな家でお過ごしの方もいらっしゃるようです。
支援金は自宅を再建するからもらっているので、再建する人は「仮設住宅はいらないよね。」という事だったようです。(その金額で家がまるごと再建ができるわけもないくらいの金額なのですが…(p_-))
今は、そのような「支援金を受けてしまったから仮設には入れない」ということがないように配慮はあるようですが、支援金の申請条件も細かくありますので、すぐに支援金に飛びついてしまう前に、内容をしっかりと確認して申し込む必要もあります。
大きな震災の経験から年月が経つにつれて、法律が変わったり、支援の内容が変わっていきますし、よかったことは過去の震災の時よりも早く広報が出たりします。過去に習ってしているのでスピードも速いですし、反対になんでもOKではなくて基準が高く設けられたりもしています。
自分の生活の中で、「どうなったら困る」を考えてその対策をしておかなくてはいけません。
やはり、お金についての心配が大きいと思いますので、無理な額の保険に手を出すことではなく、身の丈に合ったものを選んだりすることは必要です。
次回は「生活の早い復旧をさせていくために収入を絶やさない準備」についてお話しましょう
では…(^^)/

