医療機関の災害時初動訓練をしました。
先日ある医療機関で災害時の初動訓練(机上訓練)をしました。
BCP(事業継続計画書)を策定していく中のサポートの1つで、いつもと違って災害時というリソースの制限がある中で動くことに「何が出来なかったのか、どんな判断が必要で、何を用意しておけばよかったのかに気付く」ために、とても重要な訓練でした。
災害時に起こりえるだろう課題を提供し、何を優先させ、何を切り捨てるか…を早い時間の流れに対応しながら確認していくのですが、みなさんとても優しく「時間の制限」も「身の危険」もギリギリまで攻めて患者さんを守りに動き、すべての課題に充分な対応を施そうとされていました。
課題は8題(11問)がスクリーンに緊急地震速報の音とともに出てきてスタートです。チームで考え、意見のとりまとめ時間は20分。(事前に10分ほど課題に目を通していただきます)
地震を事例に発災後1時間の行動を確認して行きます。
課題はとても具体的にしているので、回答も「10円玉を使って…」とか「暗室にあるバールを使って」など具体的に出してくれました。
どのチームも短い時間で全ての課題をこなし、さらに意見の数も多く、アンケートには「色々な意見が出てきて、情報共有ができたことが良かった」と行動の幅が(厚みが?)増えたように感じました。
院長先生にはまた別の課題(チェック項目)があり、どこで何を指示するのか、どのような情報が院長先生の判断に必要なものか、リーダーとなる責任者の動きはどうだったか、スタッフの課題に取り組む様子(意見の出る様子)はどうだったか…などを見ていただきます。
今回私は受付の方、看護士の方でフセンの色を分けました。
受付の方しか見えていない事、看護士の方しか見えていない事がないか、それぞれの部署で災害時に動く範囲が制限されていないか(普段より行動範囲も広がり、それに切り替えて対応できるか)…などを確認するためです。
こうすることで、1つのアクションからの気づきの量も違ってきます。
私も色々な形態の訓練を受ける側としても、サポートする側としても体験し、だいたいの状況を冷静に見ることが出来るつもりでいるのですが、医療現場の方が家族の安否を気にしながら、それでも目の前の患者さんに応対していく姿を見ると、やはり「この人たちの不安を早く取り除いてあげたい…」とソワソワ感が出てしまいます。
今回のスタッフの方の動きも、阪神・淡路大震災や東日本大震災の時に医療現場を経験された方の過酷な状況のお話と重なるところがありました。(机上訓練なのですが)
今、BCPとして私が提供している家族の災害対応力を高めるサポートと事業継続のサポートを合せたものを構築したことは、過去の震災の医療現場の方が乗り越えてこられたことがヒントになっています。
こちらの院長先生は医療現場のBCPがもっと広がっていくことを望まれていて、医師会などでもBCPの推進を提案し講義をされています。
スタッフの方も施設内の環境整備に意見を出し合い、知恵を絞ってドンドン改良されてきました。
私もしっかりとその思いを大切にサポートへつないでいこうと思っています。
今回は、安否確認の返信フォームを変えてから初めての訓練をしてくださいました。実際に一斉送信を受けて返信するまでの確認です。
返信が確認できるまでに時間がかかってしまったり、返信画面にすると、答える内容が消えてしまうなど、自分の携帯電話の特徴も分かります(これらをサポートするためにスタッフの方に持っていただく携帯カードには返信内容を入れています。)
スムーズに出来るには回数をこなさなきゃいけないことが分かります。(しかしとても大事な訓練です)
私のBCPサポートの内容は少しずつかわってきています。(扱うツールも変えています)
その広報を今年の夏には発信しようと思っています。
今、サポートを相談くださるところには皆さんにお話をしています(つまりはホームページが追い付いていないだけなのですが…)
たくさんの笑顔を守るためにも、頑張ってサポートしていこうと思います!

