事業継続 サポート <事業承継・引継ぎ、 BCP 策定> 行政書士エム・アイ法務事務所 伊藤聖子
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第13話 後継者と災害対策

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商売をしている企業のトップはお客様との契約を守るため、また、従業員の命を守るために災害時に備えてやらなければいけないことがたくさんあります。

もちろんそんなことはご存知だと思いますが、どこまですればいいのか、準備が足りているのかどうかも分からない場合もあります。

「身の丈に合った準備を…」と言われても、妥当な線が示されているわけでもないし…で困ってしまいますよね。

準備が足りないところの後継者はその状態のまま引継ぐので、足りないところを引継いだ後に組み立てていくこととなります。

実は、この取り組みを後継者が進めていくことこそが社内外からの信頼を集められるチャンスなのです。

⑴ 災害時の事業継続

事業承継では前社長の操縦で動いていたものからハンドルを受け継いで、後継者の運転で皆が馴染んでいけるようにすることを丁寧にしなければなりません。

後継者は社内を取りまとめ、トップとして「人生を任せられる信頼」を集めていくことが一つの課題になるのです。

信頼を得るためには事業継続への働きかけがとても大切です。

災害時の復旧と事業の継続のためには、まずは人命を守る防災体制が含まれているからです。

災害時では「臨機応変」に事業を動かしてくれる人が必要で、そのための人材が動けなくなると廃業になることもあります。

では、人を守るためにどのような情報を事前に持っておく必要があるでしょうか。

働いている場所は安全か(外回りに出ている人はいるのか)?

社内でケガをした人を救護できる体制や応急手当ができたり、トリアージができる人はいるのか?

従業員の家族体系はどうで、その人たちの無事を確認できる方法があるのか?

災害時にでも働いてもらえそうか?

そもそも緊急に連絡を取る仕組みはあるのか?

災害時に「けがをした人は役に立たないから休ませておけばいい」という利益重視の考えでは誰もついてきませんよね。

まずは、人を守り(これは心のサポートも必要なのです)、事業の復旧や継続に力を貸してもらえるように家族の体制もしっかりしてもらえるような企業側の働きかけも必要です。

災害時にそそぐ時間は誰にとっても貴重な時間であることを認識しなければいけません。

⑵ 後継者はBCP(事業継続計画)のリーダーであれ

人は、自分のことや家族のことを大切に思ってくれる人に信頼を寄せています。

後継者は社内外の人に対する信頼を勝ち取る必要があり、そのためにはまず安心して働ける場所の提供や、何かあったときに支援する働きかけが見えていることが必要です。(「見えること」が重要で、知らないところでやっていても、その働きかけによって早く信頼を集めることは難しいです)

防災への取り組みと、事業継続できる体制を実行可能にする働きかけを後継者がリーダーで動いていれば、皆は「任せられる人・ついていく人」と早く認めてくれるでしょう。

では、具体的にどのようなことが「信頼を集める働きかけ」なのでしょうか?

前提に、自社にとってどのようなリスクがあるのか把握していることは重要です。

そして、自然災害でたくさんの被害が出ている、地震や台風、雪などで、どれくらいのリスクがあるのか評価できることも大切です。

自社は、電気が止まると困るのか、水が止まると困るのか、道路が寸断されると業務は止まってしまうのかというだけではなく、業務をするために必要なものは何か、それがなくならないようにするにはもう一つ用意することが現実的か、この場所でなくても業務はできるかなど、細部に考えを広げる作業を独断ではなく従業員とともにし、広げていったものから対策の選択を従業員と共有するということです。

リスクは時間の経過で(昔と今では)変わっていることも把握しなければいけません。

先代でリスクに対応していたとしても、また、後継者が再確認していかなくてはいけないのです。その取り組みに信頼を寄せて人がついてきてくれなければ、事業継続と人命の安全が実現できなくなってしまいます。

⑶ 今、知っておくべき情報とは?

https://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/taio_wg/pdf/h300806shiryo02.pdf

(半割れ(大規模地震)/被害甚大ケースに おける具体的な防災対応について より)

国から国民向けに発信されている情報は知っておく必要があります。

これは皆が情報を知っていることが前提になって、対策ができていたのか判断されてしまうからです。

首都直下型地震や南海トラフ巨大地震はもう何年も前から「危険に備える」ことを発信されています。

また、南海トラフ巨大地震については、「半割れ」という状況も高い確率で起こりえることも言われ始めました。

この、「半割れ」の事態とはご存知でしょうか。

南海トラフ地震が起きる可能性が上がってきていることはご存知だと思いますが、今予測されているのは、東側(静岡や、名古屋など)が先に大きく揺れて、その後に西側(四国や宮崎方面まで)が大きく揺れる可能性が高いということです。

つまり、南海トラフ地震の大きな危険区域が半分に割れて揺れが時間差で来る。というものです。

この情報から何を知らなければいけないのか。

被災地が広いということだけではなく、先に揺れて被害が出ているところに医療や自衛隊などの支援もつぎ込まれていることが考えられます。

つまり、後半の揺れに大きな被害が出ても、物資や支援の手は少なく、足りないのではないかと予想されます。

自社はどちらの位置にあるのかは、上の地図で分かると思いますが、境界線にある場合はどうなのか?

後から揺れる場合とは、数時間後なのか、何日後かなのかが分かればいいですが、それが分からなくても、何から手を付けて、どんな流れで自社が動くべきなのかは考えられると思います。

タイムリミットを1時間と考えてみたとき、動作のスケジュールを作ったとしても皆がそれに合わせて動けなくてはいけません。

本来、地震では発災時からのタイムスケジュールを用意しているところがほとんどだと思いますが、今では「もうすぐ揺れる」の予測を発信してくれるシステムが出てきたので、「揺れる前の動き」も考えていくようになってきました。

⑷ 後継者が今からすべきこと

身の丈に合った対策とは応用部分であり、基本の土台部分になるチェック項目は皆共通しているので次のことの対策を考えてみてはどうでしょうか。

地震の揺れ被害を考えて(津波の対応は、さらに追加で考えなくてはいけませんが…)

<安全面:安全配慮義務>

・倒れやすいもの、壊れやすいものでケガ人が出ることはないか?(重たいものが上から落ちてこないか)

・けが人が出た場合に救助できる体制や応急処置ができる用意、どの医療機関にどのように搬送できるか考えているか

・社内の避難ルートは安全であり、避難完了後の確認ができるまでの流れを従業員と共有しているか

・社内での二次被害に何が考えられるか(毒ガス?火災?)、それが起こらないように作業をストップして短時間で逃げる指導はされているか

<事業継続面:損失回避>

・資金の流れや作業が止まって困らないような対策(手段の切り替えができる複数化や契約書での取り決めなど)を考えているか

・「こっちも後から揺れるぞ!」と分かったときにすぐにデータのバックアップに取り組めたり、被災に備えた準備にとりかかれるか。(データのバックアップは普段からしていると、直近のデータだけを諦めて、すぐに持って逃げることもできますね)

・業務を把握して作業の優先順位(応急対応)を決められる人に情報が集まるようになっているか?(安全なところに動かすデータや資料を決め、誰がそこに動かす(持っていく)のか決めているか。)

・出社が必要な業務と自宅でもできる業務は把握しているか。(その指示をする共有ツールはあるか)

・業務に時間を割いてもらえるように従業員の家族に対しての理解が得られるような対策や支援がされているか。(従業員が勝手にしてくれると任せてしまってはいけません)

このような対策を、リーダーとなるべき経営者(後継者)が参加して進めていくことはとても重要で、これらの準備が整っていると従業員も「大切にしてもらえている」と信頼を寄せるのではないでしょうか。

事業を継続できる体制の構築は信頼を集めるためにも経営者(後継者)が率先して取り組むべきものだと思います。

それでは、今日はここまで

 

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2022年4月10日(日)  第13話 後継者と災害対策 はコメントを受け付けていません  お知らせ, 事業承継士伊藤聖子のブログ

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