リスクコミュニケーションで大切な「隠された言葉」
そうか!
相手に分からせようとしてはいけない。
相手が困っていることと自分の分かってもらおうとすることを紐づけなければいけないのだ!
そんなことを知ってリスクマネジメントのコンサルタントに光を見つけた時があった。
しかし、それは分かっていても現場では自分の中の突っ込みが激しくなることもある。
ある組織で、新型コロナ感染症のため業務がストップしてしまい、その後も後手後手に復旧した課題をクリアにして今後に活かすための「リスクコミュニケーション」を図る研修をしたときのこと。
ワークの説明に『それって何の意味があるんですか?』とか、
『あの時は、何をするか指示がなかったから動けなかったんです~』とか…(それが課題やと気付かないのか?)
「どんな指示が欲しかったですか?」と尋ねても
『そんなこと私には分かりませ~ん』『できないものは、できないんです~』と…
(…え?あれをしろ、これをしろ…だけではないのか?(p_-))
(しかし、いつもこの人、できないことばかり並べてくるな~((+_+)))
『あ~、こんなのやってられない~』とみんなが聞こえるように声をあげる…(子供か…!)
(外部から来た私のことが、煙たくて嫌いなのは分かるけど…ちょっと目立って足を引っ張るな~)
(しかし、待てよ…(p_-) この人はこの部署では仕事ができるキーマンとなってる…この人はこの部署のまとめ役になっていたはずだけど…自分では言えない何かがあるのか?)
言葉に出せない何かがあることを背景も含めて知ろうとしないと、リスクコミュニケーションは成立しない。
(この人が欲しい指示とは一体何だ…?)
少し質問をして分かったことは
「周りから推薦された状態でトップから『あなたに一任します』という権限移譲」だった。
それも、「責任はこちらで持ちますから…」という言葉も添えなければ動かない。
(確かにこれは自分では言えないな…)
仕事には自信があっても、先の見えないリスクに立ち向かうには責任まで負担が大きい。
しかし分かってもらいたい…あなたに権限移譲しても大丈夫かどうかを判断するのは周りではなくトップなんだと…。
周りが推薦する理由は「自分に回ってきては嫌だから…」とか、「この人の思うようにさせないと機嫌が悪くなるから…」とか、そんなこともトップは見ているのだよ…と。
トップは声が大きい人の意見だけを取り入れることは決してしない。うなずきもせず何も発言をしない人も見落としてはいけない。すべての人の声を聴かずに連携は成立しないから。
リスクコミュニケーションは盤石な体制を維持するために必要なことで、人の隠された言葉を知る努力も必要なのだ。

