医療機関のBCP更新が完了しました。
医療現場のスタッフがチェックしてくれた、BCPの更新資料を基に、新型コロナ感染症の事業継続計画(BCP)が第4版に更新され、地震・風水害に備えたBCPは、もう第7版目となりました。
新型コロナ感染症については「診療の手引き10.1版」が今年(令和6年)の4月で最終回となり、5類感染症になっても後遺症などのデータを更新しながら約1年続いてくれていました。
感染拡大前から不安と恐怖に立ち向かう医療現場の方に役立てていただきたいと、ずっと情報を取ってきた者としては、最終回にホッとした半面、まだ感染者が多いのに「変異株が感染拡大をしている!」とかの情報は自分から取りにいく必要があるのか…ということに「う~ん」って感じです。(今後は厚労省ホームページや、国立感染症研究所、関連する学会などの情報を自分から取るように…ということです)
医療現場では試行錯誤しながら、発熱外来に「ドライブスルー対応」も加え、まだ多い患者さんを、できるだけたくさん見てあげられるように、かつ、患者さんの負担も減らし、現場のスタッフに人数制限があっても対応できる体制への更新もされました。
今までこちらから「BCP更新時期ですね~」と案内をしていたのに、今回は文章を現場さんがすでに用意していて「これを加えてください!」と、BCPへの意識をさらに高めてくれていたこともとてもうれしかったです
地震・風水害のBCPについては、今回、構成を大きく変え「被害想定と復旧目標の見える化」と「サイバーセキュリティ体制の構築」を加えて大改造となりました。
すべての医療機関に義務化されたたサイバーセキュリティ体制の構築は、普段の業務でいっぱいいっぱいの現場さんに「これを確認してください」と言っても進められないことが分かり、院長先生やスタッフの方に「これはどんなデータを管理していますか?」と確認を取りながら、私自身が診察後の受付テーブルの下に潜り込んで、「この機器と、こっちが繋がっていて、これはバックアップで…」とまるで電気屋さんのように入り込ませていただきました。
システム担当の取引先の担当者さんや、そこから技術担当の方ともお話をさせてもらい、そのおかげで、院内のシステムや機器の見える化や初動の見える化にもつなげることができました。
近年の地震や風水害の頻発化や巨大化を考えると、医療を継続させながら、被害を軽減し復旧させていくための対策は必要不可欠です。しかし、それ以上に毎日のこととしては長時間労働を無くし、専門業務以外のことは、雑用を押し付けて甘えてしまわないように業務に専念できる環境にしたり、患者さんからのハラスメントや、患者さんでもない人からの風評被害など、医療機関にはたくさん注意していることがあり、1つではない数種のリスクを含めるBCPの義務化も「そりゃできないでしょう…」という気持ちにもなります。(専門部署があって、人手が増やせるところはいいかもしれませんが…)
今回はボリューム満点なBCP更新となり、現場さんも「おつかれさまでした!」ですが、これが決して完成形でも無くて、BCPは出来上がった時からもう古くなっているものなので、また先を見据えて次へと進めていき、現場さんの事業継続力の向上に貢献していきたいと思います。